Q74: 「初めまして」は英会話の基本です。ではどんな表現があるでしょうか? いくつか挙げてください。

A:「初めまして」は、“(うれしい) + to meet you.”が基本



お辞儀と握手のように、あいさつには文化・習慣の違いがあります。

日本語での「初めまして」を、「初めてお会いします。どうぞよろしくお願いします」の略と考えると、相手の協力・保護を願う表現ということになります。


これに対して英語の「初めまして」は、「あなたと初めてお会いしてうれしいです」で、相手との出会いの喜びを伝える表現です。

Nice to meet you, Mr. Ito.
が典型的な例で、Niceの部分に「うれしい」に相当するいろいろな表現を入れると、すべて「初めまして」の意味になります。日本語の「初めまして」のように表現が固定されていないので、多様な表現が可能です。


固定されていないので、日本人からみるとややこしいですが、基本は、
(うれしい) + to meet you, (相手の名前)
です。


■ 軽い言い方:Hi! 

「初めまして」はあらたまったあいさつですね。人に初めて会うとき、日本語でも実際には「初めまして」とはあまり言わず、「こんにちは」程度ですますことも多いのではないでしょうか。

英語でも同様で、フォーマルな場面でなければ、Hi!やHello!とゆっくりスマイルで言ってすますことが多いものです。
もう少し長くすると、Hi, how are you? やHow are you doing?(元気?) です。


■ 典型的「初めまして」

典型的な「初めまして」はNice to meet you.ですね。
冒頭を略さずにIt’s nice to meet you.と言うこともありますし、強調すれば、
It’s very nice to meet you. となります。


■ 基本形の応用:(うれしい) to meet you.


“(うれしい) to meet you.”にいろいろな単語を入れます。
It’s nice/good/great/lovely to meet you.
I’m happy/glad to meet you.


■ 強調する

veryやsoで強調できます。
I’m very glad to meet you.
It’s so nice to meet you.

It’s sooooooo nice to meet you!
(会えてチョーうれしいです)
「ソーーーー」とのばして発音します。若者言葉です。


■ オーダーメードの「初めまして」

相手個人に合わせて、youの部分を言い換えます。相手が夫の会社の同僚であれば、
It’s so nice to meet a colleague of my husband. I’ve heard so much about you.

これは日本語での「主人がいつもお世話になっております」に相当します。


■ 上品な「初めまして」

「うれしい」を言い換えて「喜びでございます」と言いましょう。
(I’m) pleased to meet you.

これを言い換えると、
It’s my pleasure to meet you.
It’a (great) pleasure to meet you.


■ 丁寧な「初めまして」

It’sやI’mは短縮表現ですが、これを短縮せずに、ゆっくり言います。はしょらないことが丁寧な感じを出します。

Pleased to meet you.    お会いできてうれしいです。

I’m pleased to meet you. お会いできてうれしく思います

I am pleased to meet you. お会いできてうれしく存じます


■ 文化の違い:丁寧とfriendly


丁寧なあいさつの仕方を紹介しましたが、英語では丁寧なあいさつがいいとは限りません。会えてうれしい、という気持ちが伝わることが最も大切です。

日本語のあいさつでは「丁寧である」ことが大切ですね。丁寧なあいさつには、社会の秩序を維持し、相互扶助を進める役割があるようです。

英語のあいさつで対応する価値観は、「friendlyである」ことです。特に移民社会であるアメリカでは、おおげさにフレンドリーであることを示し、相手に敵視されないようにして溶け込んでいきます。
その場面に比べて丁寧すぎるあいさつは、浮いてしまいます。


■ 感嘆する「初めまして!」

感嘆文で言うこともできます。
How nice to meet you!
What a pleasure to meet you!


■ 「お会いできて光栄です」


高貴な方に会ったときは、pleasureやhonorなどを使います。

It is an honor to meet you, ambassador.
(お会いできて光栄に存じます、大使)

It is an honor to meet you, Mr. President.
(お会いできて光栄に存じます、大統領)

It is an honor to meet you, your majesty.
(お会いできて光栄に存じます、王様)

相手のタイトルがはっきりしないときや、軍の上官などに対しては、
It’s an honor to meet you, sir.


■ フォーマルな言い方

How do you do?
古いフォーマルな言い方です。






このコーナーでは、時事英単語や、英文を読む上で必須となる基本の英単語などを、イラスト入りのイメージトレーニング方式で楽しく解説します。 解説・監修は元ジャパンタイムズ編集局長の伊藤サムさんです。 

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※イラスト・写真の一部にマイクロソフト社などのクリップアート類を許諾条件に基づいて使用しています。






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